個人目標をどう立てればいいのか悩んでいる介護職員さんに向けて、目標の立てて方と注意点、また介護職経験年数に応じた具体例をご紹介します。
「職場で個人目標の提出を求められるけど意味あるの?」
「毎回書くことを思いつかなくて困っている」
そんな介護職員さんは必見!
ぜひ参考にしてください!
介護職の個人目標はなぜ必要?
個人目標設定は施設によって実施しているところとしていないところがあります。明確な評価体制を設けている施設や、スタッフの育成に力を入れている施設では取り入れていることが多いのではないでしょうか。 なぜ個人目標設定を行うのかというと、施設・事業所側が一人ひとりの職員の技能レベル、頑張りを把握し、教育や評価に取り入れていくためです。半期に一度ごとに目標設定や振り返りを行って、その結果に基づいて賞与額を決定したり昇進・昇給を決めている施設もあるでしょう。 もしかすると「上からやれと言われて仕方なくやっている」という方もおられるかもしれませんが、個人目標を設定することは職員の皆さんにとっても大いにメリットがあります
ので、ぜひ前向きに取り組んでいただければと思います。 個人目標を立てるメリット
個人目標を立てるメリットは大きく分けて3つあります。 1.スキルアップに役立つ
目標が明確になると行動力が上がります。反対に明確な目標がなければ、自分が何をすべきかわからず動けません。介護職員として今よりも成長したいと感じているならば、まずは明確な目標設定が不可欠です。 ・今の自分に足りない知識や技術は何か・何ができるようになりたいかという課題や目標を可視化することで、「目標達成のためにはいつまでに何をすべきか」を自主的に考え、効率的に仕事を進められるようにもなります。 2.モチベーションの維持
目標達成度や成長の度合いが見えることで、仕事を頑張るモチベーション維持につながります。 ある程度仕事に慣れてくると「こなすだけ」「流れ作業」のルーティンワークになってしまいがちな業務でも、モチベーションを高く保てると、新たな気づきが生まれたり、改善のアクションを考えてみたりと、目的意識を持って主体的に取り組む気持ちが芽生えるでしょう。 3.具体的にキャリアを構築できる
個人目標を設定するうえでおすすめしたいのが、曖昧でも良いので数年先までのビジョンを思い描いてみることです。 「5年後こうなっていたい。そのためには3年後、1年後、半年後にこのレベルまで成長しなければいけない」というふうに数年先の理想から逆算して直近の目標設定をすると、確実にステップアップしていけるのではないでしょうか。もちろん、成長につれて先々の目標が変わっていくことは問題ありません。 ぜひ目先の目標だけでなく、数年後どうなっていたいかというキャリアビジョンまで描いてみてください。 もし職場で実施されていない場合でも、スキルアップ・キャリアアップしていきたいとお考えの方は、ぜひ目標設定をして仕事に取り組まれることをおすすめします。 個人目標の立て方
個人目標を立てる際には下記の点に注意してください。 1.現実的に達成できる内容にする
必ず達成できる内容にしましょう。例えば、働き始めたばかりの新人介護職員が、「3ヶ月後に新人教育ができるレベルになっていたい」などは現実的な目標ではないですよね。 もちろん目標を高く持つことは素晴らしいことですが、達成が難しい目標を立ててしまうと、先に気持ちが折れてしまう可能性が高いのでおすすめではありません。努力すれば実現可能なレベルの目標を設定するようにしてください。 2.期限を設ける
「1ヶ月でここまでできるようにする」「半年後に〇〇の資格を取得する」などと期限を設けましょう。 いつまでに目標を達成するのかが明確でなければスケジュールが組めず、その結果「できるときにやろう」とつい先延ばしになり、目標未達成になりかねません。 期限を決めることで、「そのためには1日30分の学習が必要」など、より具体的な課題を設けて取り組むことができるでしょう。 3.目標達成するための具体的なアクションを決める
漠然とした目標は、そのままでは達成することが難しいです。より具体的なアクションを決められるように課題を細分化しましょう。 例えば「利用者の方に喜んでいただけるサービスができるようになる」といった目標。素晴らしい心構えですが、喜ばれるサービスの基準は人それぞれ違いますし、漠然とし過ぎており「できるようになったか・なっていないか」の判断も難しくないでしょうか? こういった抽象的な内容の目標は、より具体的に細分化していきましょう。
<例>
◆漠然とした目標
利用者の方に喜んでいただけるサービスが提供できるようになる
↓
◆課題を細分化
まずは3ヶ月で利用者の方について把握する
↓
◆具体的なアクション
・利用者の方と毎日5分コミュニケーションをとる
・先輩に利用者さんの特徴について教えてもらう
・その内容(話したことや気づき)を記録して実践に生かしていく
というふうに落とし込んでいきます。 このように具体的なアクションにすることで、進捗確認やできたか・できていないかの振り返りやがしやすくなります
。ポイントは数字で計測できる内容にすることです。例えば「たくさん」「しっかり」などは使ってしまいがちですが、たくさん、しっかりとはどのくらいなのか人によって感覚が異なります。誰もが同じ基準で把握できるように数値で示すことがポイントです。 経験年数別で紹介!個人目標の具体例
個人目標の内容は、介護職の経験年数や知識・スキルのレベルによって大きく異なります。 自分がどのような目標設定をすればいいかわからないという方に向けて、・新人(1年以上3年未満)・中堅(3年以上10年未満)・ベテラン(10年以上)の3つのレベルに分けて、※()内は介護職経験年数 ・身につけておくべき介護スキル
・身につけておくべきビジネススキル
・取っておきたい資格
を紹介していきます。 ◆新人介護職の個人目標
介護職経験1年目~3年未満の職員向けの個人目標です。 失敗しても叱られないのは新人の特権です。新しく教わったばかりのことや自信がない業務でも失敗を恐れずに、積極的にチャレンジ
し成長していきましょう。 ベテランの先輩や上司をお手本にして真似をすることも成長への近道です。 介護スキル
一般的なビジネススキル
自ら元気よく挨拶する
整理整頓、衛生管理を徹底する
報連相を怠らない
職場の規律を守る
チームワークを大切にする
主体的に行動する
資格
◆中堅介護職の個人目標
介護職経験3年目~10年未満の職員向けの個人目標です。 経験年数に少し幅がありますが、この時期は一通りの仕事が指示なくできるようになり、リーダーや教育担当を任される人も多いと思います。 さらなる自己成長はもちろんですが、スタッフ同志の信頼関係や後輩を育てる視点を持つことが大切
です。 介護スキル
利用者に合わせた個別ケアを行う
利用者の些細な変化に気づく
リスクマネジメントの理解・実施
有事の際に冷静かつ臨機応変な対応をする
一般的なビジネススキル
マネジメント能力
新人教育や育成力
リーダーシップを発揮する
問題解決力と業務遂行力
資格
介護福祉士
介護支援専門員(ケアマネージャー)
サービス提供責任者
社会福祉士
◆ベテラン介護職の個人目標
介護職経験10年以上の職員向けの個人目標です。 施設長や主任などを任され、施設管理が主業務となる方もいるでしょう。管理者として現場全体を俯瞰で見ることが求められます。介護スキルについても、部下や周囲のお手本となれるように日々学び続ける姿勢、向上心が大切です。個人というよりは施設全体の環境改善や成長を意識して
取り組みましょう。 介護スキル
業務の改善
サービスの質の向上
新たな取り組みの提案
責任者としてのご家族対応
他職種や関係各所との連携
一般的なビジネススキル
経営者視点
情報発信力
労務管理力
部下の教育、士気向上
資格
認定介護福祉士
主任介護支援専門員
認知症介護時実践者研修
まとめ
目標設定の参考になりましたでしょうか?
介護の仕事は、基本的には毎日同じ業務を繰り返すため、ともすればただ仕事をこなすだけの毎日になってしまいます。
しかしながら目標を設定し意欲的に仕事に取り組めば、経験に応じていくらでも成長していくことが可能。その先のキャリアアップや給料アップも夢ではありません。
ぜひ、「介護職としてどうなりたいか」未来の目標を明確にして、主体的に楽しく仕事に取り組んでいただければと思います!
<こちらもぜひ!関連コラム>
■コラム「介護職のキャリアアップの方法を一挙公開!」
キャリアアップできる環境の職場をお探しなら介護ワーカーへ!
「キャリアアップしたい!」「正当に評価してくれる施設で働きたい!」など、将来を見据えた転職、スキルアップ・キャリアアップできる職場への転職をご希望でしたら、ぜひ介護ワーカーへご相談ください。 経験豊富な専任アドバイザーがあなたにぴったりの転職先をご提案いたします!★アドバイザーに相談する(無料) ★まずは求人を見てみる※掲載情報は公開日あるいは2023年04月13日時点のものです。制度・法の改定や改正などにより最新のものでない可能性があります。