介護報酬請求業務の内容とは?介護事務で即戦力になれる資格もご紹介

公開日:2020年09月18日

更新日:2020年09月18日

介護報酬請求業務の内容とは?介護事務で即戦力になれる資格もご紹介!

介護職で働いている方のなかにはスキルアップのため事務関係のことを勉強しようと思っている方もいるのではないでしょうか?
介護職として働いていて「介護報酬請求業務」という言葉を聞いたことがある方は多いでしょう。しかし、内容が難そうでしっかり理解していないという方は少なくないはず。
そこで、介護事務初心者の方や今後携わる予定の方のために、介護報酬請求業務の内容についてご紹介したいと思います。

介護報酬請求業務とは?

介護報酬請求業務ってどんな仕事だろう?

介護報酬請求業務とは、介護事務の仕事の一つです。
介護事務は、介護施設などで受付業務や電話対応、来客対応、経理などをおこないます。介護事務の仕事内容のなかでも、介護報酬請求業務は経営にかかわる重要な仕事です。介護報酬請求業務の内容は、おもにレセプトと呼ばれる介護給付費明細書・請求書などを作成・提出します。
 
介護報酬請求業務がなぜ重要なのかというと、介護施設や事業所は提供したサービスの詳細を記載した明細書や請求書などを国民健康保険団体連合会(国保連)に提出しなければ市区町村から介護報酬を受けられないからです。そのため、利用者へのサービス費用を毎月計算し介護給付費の書類を作成します。
介護事務にとって、介護給付費明細書・請求書を作成し提出するという業務は責任のある仕事といえます。

介護報酬の請求と支払いの流れについて

「介護報酬の請求の流れ」の図

介護報酬請求業務を理解するためには、介護報酬請求の流れについて正しく理解しておくことが大切です。請求業務初心者の方でも理解できるように分かりやすく解説します。
 
上記の図は、介護報酬請求の流れを表したものです。
利用者が介護保険サービスを受けると、サービスを提供した事業者は国保連へ原則9割(一部8割)を請求し、残りの1割(または2割)を利用者へ請求することになります。
この請求をする際に必要となるのが「介護給付費請求書」と「介護給付費明細書」の提出です。

国保連は、提出された請求書や明細書の一次審査をおこない、不備や問題が無ければ保険者となる各市区町村に介護給付費の支払い請求をします。各市区町村において二次審査をおこない、問題がなければ国保連へ介護給付費が支払われ、そのあと介護事業所に介護給付費が支払われます。
 
支援事業所の請求業務では、「居宅介護支援介護給付費明細書」のほか、ケアマネージャーが作成した「給付管理票」の提出が必要となります。国保連は居宅支援事業所から提出された「給付管理票」とサービス事業者から提出された「介護給付費明細書」の突合審査をおこないます。内容に不備や相違が無ければ各事業所に報酬の支払いがあります。
もし、内容に不備や相違があれば報酬は支払われないため、とても重要かつ責任の大きい業務といえます。

介護報酬の請求方法と注意点

介護報酬の請求方法と注意点!

介護報酬の請求は、毎月決められた期間内におこなうことが必要です。
国保連への明細書や請求書などの提出は、毎月1日~10日までの間と請求期間が決められています。
 
請求方法は、平成30年4月より「書面による請求」から「原則インターネット(伝送)またはCD-R等(電子媒体)による請求」へと変更となりました。
請求に必要な書類の様式は、利用者に提供しているサービス内容によって異なります。
 
たとえば、
訪問介護や通所介護などのサービス提供事業所であれば
●介護給付費請求書
●介護給付費明細書
の2点を作成なければなりません。
 
居宅介護支援事業所の場合であれば
●介護給付費請求書
●居宅介護支援介護給付費明細書
●給付管理票
の3点が必要になります。
 
実際にどのような内容を記載しなければならないのか見てみましょう。

介護給付費請求書と給付管理票の記載事項

介護サービスの事業所が使うことの多い「介護給付費請求書」と「介護給付費明細書」そして居宅介護支援事業所で必要になる「給付管理票」の記載事項をご紹介したいと思います。

【介護給付費明細書(第二様式)の記載事項】

1)サービス提供年月
2)公費負担者番号・公費受給者番号
3)保険者番号
4)被保険者欄:被保険者番号、氏名、生年月日、性別、要介護状態区分、認定有効期間、
5)請求事業者:事業所番号、事業所名称、所在地、連絡先
6)居宅サービス計画及び介護予防サービス計画:作成区分、事業所番号、事業所名称
7)開始年月日、中止年月日、中止理由
8)給付費明細欄:提供したサービス内容、該当のサービスコード、単位数、回数、サービス単位数、公費分回数、公費対象単位数、施設所在保険者番号、摘要
9)給付費明細欄(住所地特例対象者)
10)請求額集計欄:保険、公費、
11)社会福祉法人等による軽減欄

【介護給付費請求書(様式第一)の記載事項】

1)サービス提供年月
2)請求先
3)請求日
4)請求事業所:事業所番号、事業所名称、所在地、連絡先
5)保険請求(サービス費用に係る部分):件数、単位数・点数、費用合計、保険請求額、公費請求額、利用者負担
6)保険請求介護(特定入所者介護サービス費等に係る部分):件数、費用合計、利用者負担、公費請求額、保険請求額
7)公費請求(サービス費用に係る部分):件単位数・点数、費用合計、公費請求額
8)公費請求(特定入所者介護サービス費等に係る部分):件数、費用合計、公費請求額

【給付管理票(様式第十一)の記載事項】

1)対象年月
2)被保険者情報:保険者番号、保険者名、被保険者番号、被保険者氏名、生年月日、性別、
3)要支援・要介護状態区分、
4)居宅サービス・介護予防サービス支給限度基準額、限度額適用期間
5)作成区分
6)居宅介護/介護予防支援事業所番号、居宅介護/介護予防支援事業者の事業所名、事業所所在地及び連絡先
7)担当介護支援専門員番号
8)委託先の支援事業所番号、介護支援専門員番号
9)居宅サービス・介護予防サービス・総合事業
■サービス事業所名、事業所番号、指定/基準該当/地域密着型サービス識別ス/総合事業識別、サービス種類名
■サービス種類コード
■給付計画単位数

※ほかの様式や記載内容の詳細については各都道府県の国連団体連合会のホームページにてご確認ください。
※参考:神奈川県国民健康保険団体連合会「介護給付費請求の手引き」

注意点について

介護請求業務での注意点は2つ。
それは「スケジュール管理」と「正確さ」です。

介護報酬の請求は、サービス提供をした1ヵ月分の請求データを翌月の1日~10日までの期間内に提出します。そのため、当該月における全ての利用者のサービスについて、10日以内に計算し請求データを作成しなければなりません。

もし誤りが合った場合、返戻されるため修正し再度提出となると期間内に間に合わない可能性があるため、しっかりとスケジュールを組み余裕を持って提出できるようにしておくことが必要です。

介護事業所へ支払われる介護給付費は、国保連と市区町村2つの審査を通過しなければならないため、支払いまでに1カ月半ほどの期間がかかります。そのため、国保連から支払いを受けるのは請求した月の翌月25日です。

介護報酬の請求スケジュール

もし、内容に不備があり返戻され請求期間に間に合わなかった場合、翌月以降に請求するため支払いを受けられるのもさらに伸びてしまいます。支払いが伸びると、事業所の経営が厳しくなるなど影響がでてしまうこともあるため、正確さが求められます。
 
事業所によっては、専用のソフトを導入し介護報酬請求業務にかかる負担軽減をおこなっているところも増えてきているようです。

介護事務におすすめ!即戦力になれる3つの資格

介護事務におすすめ!即戦力になれる3つの資格 ・介護事務管理士・ケアクラーク・介護報酬請求事務能力認定試験

介護事務の仕事をするうえで必要な資格はとくにありません。
しかし、介護事務に関する資格を取得しておくことで、即戦力になれるというアピールポイントになることは確かでしょう。
介護事務の資格を探してみると、介護事務に関する資格がいくつかあり「どの資格がいいのか分からない・・・」と思う方は少なくないはず。
そこで、

「どれを選んだらいいのか分からない」
「スキルアップのため何か資格を取得しておきたい」

と思っている方のために、おすすめの資格を3つご紹介したいと思います。

【介護事務管理士】
介護事務管理士は、JSMA技能認定振興協会が運営する介護事務資格。
介護事務に関する資格のなかで最も古く、知名度の高い資格です。
試験は、介護保険制度や介護報酬請求に関する10問のマークシート形式と3問のレセプト作成・点検の実技試験の2種類で構成されています。
受験資格はなく、誰でも受験することが可能です。

◎介護事務管理士の資格について詳しく知りたい方は以下のコラムをチェックしてみて!
「数ある介護事務の資格の中から介護事務管理士の資格を取得することのメリットとは?」

【ケアクラーク】
ケアクラークは、日本医療教育財団が運営する資格。
介護事務に関する資格のなかで、受験者数が最も多いことで有名です。
試験は、介護事務に必要となる技術や知識だけでなく、コミュニケーション技術や高齢者・障がい者の心理、一般医学の知識も問われます。25問のマークシート形式の学科試験と2問のレセプト実技試験の2種類で構成されています。
受験資格はなく、誰でも受験することが可能です。

◎ケアクラークの資格について詳しく知りたい方は以下のコラムをチェック!
「ケアクラークとは?介護事務で働くためには取得したほうが良いの?」

【介護報酬請求事務能力認定試験】
介護報酬請求事務能力認定試験は、日本医療事務協会が主催する資格試験です。
色々な専門学校や職業訓練校でも取り入れられています。
試験は、おもに介護報酬請求事務に関する知識や技術が出題され、25問の学科試験と3問のレセプトの実技試験、2種類で構成されています。
受験資格は、日本医療事務協会が認定している介護事務講座の修了者、受験申請のあった学校などに限られています。

上記に挙げた3つの資格は、どれも認知度の高い資格です。
そのため、転職の際に面接官も認知している確率が高いため、即戦力になれるということをアピールしやすい資格といえます。

◎介護事務について詳しく知りたい方は以下のコラムをチェックしてみてください!
「介護事務について徹底解説!資格の取得方法や介護士との兼業について」

さいごに

介護報酬請求業務は、事務の仕事のなかで最も責任が大きい仕事といえます。
短い期間のなかで正確さが求められる大変な仕事です。しかし、請求の流れや記載方法、計算などをしっかりと覚えればそれほど難しくはありません。
これから介護事務に携わりたいと考えている方は、介護報酬請求の業務は事業所の経営を支える重要な仕事であるということを覚えておきましょう。

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