体位変換の基本|介護初心者が知っておきたい『コツと注意点』とは?

公開日:2020年08月06日

更新日:2020年09月08日

図解で解説介護初心者必見!体位変換コツと注意点

介護職として働き始めたばかりの方、これから介護の仕事に就こうと考えている方のために、体位変換の基本についてご紹介したいと思います。「自分にできるかな?」と心配している方もいると思いますが、体位変換は「コツと注意点」を押さえていれば、だれでもおこなうことは可能です。
それでは、さっそく見ていきましょう。

体位変換とは?

体位変換とは?

体位変換とは、自分の力で身体の向きを変えることができない方の体位を変えることを指す言葉です。本来、身体が自由に動く人は寝ている間に無意識で何度も寝返りを打ち、身体の位置や姿勢を変えています。しかし、障害や高齢から身体を自力で動かせない方はうまく寝返りを打つことができないため、身体にかかる圧力を分散できず負担が大きくなってしまいます。

長時間、同じ姿勢のまま寝たきりでいると圧迫が身体の同じ部分に集中し、血液の流れを妨げてしまいます。その結果、床ずれ(褥瘡:じょくそう)や血行障害、疼痛(とうつう)、間隔麻痺などを引き起こしてしまうことも。血行不良は、床ずれの原因になるだけでなく全身の血液循環にも影響をおよぼすため、心臓や肺などの機能低下を招く原因にもなりとても危険です。

これらの症状を予防するためには定期的に体位を変えて、血液の流れを滞らせないことが大切。基本的には2時間以上同じ体制にならないように、こまめに体位変換することが重要です。

介護での体位の種類と呼び方

体位の種類と呼び方

体位の種類は大きく分けて「立位(りつい)」「座位(ざい)」「臥位(がい)」の3つがあります。

【立位(りつい)】
立位(りつい)は、立っている状態を表します。

【座位(ざい)】
座位(ざい)は、いわゆる座った状態を表します。
座位のなかでも、どのように座っているのかによって体位の呼び名が変わります。

●半座位(はんざい)
半座位(はんざい)は座位と仰臥位の中間で、仰向けで上半身を少し起こしている姿勢を表します。身体を起こす角度は、介護ベッドの背上げ機能などで上半身を約45度~60度程度です。

●長座位(ちょうざい)
長座位(ちょうざい)は、上半身を起こして両足を真っ直ぐに延ばして座っている状態です。
他の座位に比べて重心がずれやすく、上半身が不安定になりやすい姿勢のため持続しての長座位は疲れる原因になります。

●端座位(たんざい)
端座位(たんざい)は、ベッドや椅子の端に腰をかけて床に足を下ろした状態を表します。
ベッドからの移乗介助の際、まずはこの端座位の姿勢をとってもらうことがほとんどです。

●椅座位(いざい)
椅座位(いざい)は、椅子にしっかりと座って床に足を下ろしている状態の姿勢です。

【臥位(がい)】
臥位(がい)は、寝ている状態を表します。
臥位のなかでも、どのように寝ているのかによって体位の呼び方が変わります。

●仰臥位(ぎょうがい)
仰臥位(ぎょうがい)は、仰向けの姿勢で寝ている状態です。

●側臥位(そくがい)
側臥位(そくがい)は、身体ごと横向き姿勢で寝ている状態を表します。

●腹臥位(ふくがい)※「伏臥位」とも書かれる
腹臥位(ふくがい)は、顔を無理のない範囲で横に向けてうつぶせの姿勢になっている状態です。

体位変換の「方法とコツ」をご紹介!

体位変換の方法とコツ仰向け→横向き

体位変換には色々なパターンがあります。
たとえば、寝ている状態で身体の向きを変える「仰臥位→側臥位」や、寝ている状態から座る姿勢に変換する「臥位→半座位」、また寝ている姿勢から立つ「臥位→立位」など、基本のものから難易度の高い変換までさまざまです。
そこで、介護職初心者の方がまず覚える「仰向け→横向き」の体位変換の方法を分かりやすくまとめてみたので見ていきましょう。

体位変換の基本「仰向け→横向き」の方法!

体位変換の基本となる「仰向け」から「横向き」の体位変換方法について見てきましょう。

(1)横向きになることを伝える・ベッドの高さ調整

まずは、利用者さんに今から「身体の向きを変えること」「横向きになること」を伝える。介助しやすい位置にベッドの高さを調整する。

横向きになることを伝える・ベッドの高さ調整

(2)枕を頭の下にひく(横向き用など)

枕を横向きになった際、頭がくる位置にひきます。そして身体を向ける側に利用者さんの顔を向けます。

枕を頭の下にひく(横向き用など)

(3)胸の上で両腕を組む

利用者さんの両腕を胸の上で組みます。体位変換の際に組んでいる腕が解けてしまわないように注意する。

胸の上で両腕を組む

(4)両膝を立て、かかとをお尻に近づける

利用者さんに身体を動かすことを伝えてから、利用者さんの両膝を上に引き上げるようにして立てます。かかとはなるべくお尻に近づけるようにします。

両膝を立て、かかとをお尻に近づける

(5)腰と膝に片手を置き、肩を反対の手で持つ

利用者さんを右に体位変換する場合は、右手を腰に置き、右ひじは膝に当てておく。左手は利用者さんの左肩を持ちます。

腰と膝に片手を置き、肩を反対の手で持つ

(6)腰・膝→肩の順に身体を回転させる

利用者さんに身体を動かすことを伝えてから、右ひじで利用者さんの膝を手前に倒しながら右手で腰を回転させ、左手で肩を手前に引くように起こす。

腰・膝→肩の順に身体を回転させる

(7)背中に枕やクッションを置く

利用者さんの身体が横向きになったら、背中に枕やクッションを置いて背もたれを作ります。

背中に枕やクッションを置く

(8)下になっている肩を少し引く

肩の入り込みや、肩の皮膚がよれたままにならないように、一旦肩を浮かせ位置を調整します。

下になっている肩を少し引く

(9)お尻を少し後ろに引く

仰向けから横向きになると背中や腰が真っ直ぐになっている状態なので、横向きで少しかがむような体位にすることで楽な姿勢が維持できます。

(10)腕・足の間や身体が浮いている場所にはクッションを入れる

足同士が重ならないようにあしの間に厚みのあるクッションを入れます。また、上側にくる腕もそのままではしんどいので腕の間にクッションなどを入れます。こうすることで筋肉の緊張が和らぎます。

腕・足の間や身体が浮いている場所にはクッションを入れる

体位変換をスムーズにおこなうコツ!

体位変換をスムーズにおこなうには、介助する際のコツを押さえておくことが必要です。
上記で紹介した「仰向け→横向き」の体位変換以外でも役立つ「スムーズにおこなうコツ」は次の3つです!

◎体位変換をおこなう前の声かけを忘れない!
体位変換をおこなう場合は、必ず利用者さんに声かけをおこない心の準備をしてもらいましょう。「横に向きに身体を動かしますね」など、どのように身体を動かすのかを伝えることはとても重要です。また、最初だけでなく体位変換中も「足を上げますね」と身体を動かすごとに声をかけること、そして「せーの」など掛け声をかけてあげることが大切です。とくに協力できる利用者さんの場合、掛け声をするとこで利用者さん自身も身体を動かそうとする意識をもち、力を入れられるため効率的な体位変換をおこなうことができます。

◎力任せにおこなわない!
体位変換は力任せに変えるのではなく、身体の構造を理解しておこなえば少ない力で体位を変えることが可能です。力任せだと、介護を受ける利用者さんに痛みを与えてしまうだけではなく、介助者も身体に負担がかかってしまいます。できるだけ、お互いの重心を近づけて動作することで楽に移動することができます。

◎ベッドと接する部分少なくする
体位変換をスムーズに行うには、できるだけベッドと身体が接している部分を少なくすること大切です。ベッドに接している部分が多いと摩擦も大きくなるため、より力が必要になってしまいます。摩擦を減らすことで、必要最低限の力で体位変換が可能になります。

体位変換での注意点!

体位変換する際の注意点!

体位変換をする際の注意点について見ていきましょう。
介護での体位変換の注意点は以下の4点です。

●利用者さんを急に体位変換させない
●無理に引っ張って動かさない
●ベッドの高さや力加減などを工夫し負担を軽減させる
●利用者さんに協力できる部分は協力してもらう

体位変換で大事なことは、介護職員のペースで急に体位変換させないことです。声かけもせず無理に引っ張り動かそうとすると、介護を受ける方は不安な気持ちになるだけでなく、身体の筋肉がこわばり思わぬ怪我の原因にもなりかねません。利用者さんに安心して介護を受けてもらうためにも、体位変換する場合は必ず利用者に声かけをおこない、今からどのように動くのかを伝えて心の準備をしてもらいましょう。

また、利用者さんを無理に動かそうとすると、介助者である介護職員の身体に負担がかかり怪我をする恐れがあり危険です。少ない力で介助ができるようにベッドの高さや力加減を工夫し、身体への負担を軽減させましょう。

利用者さんには協力できる部分は協力してもらいながら体位変換をおこなうことで、介助者の負担が軽くなるだけでなく、利用者さん自身が持っている能力を維持向上することにも繋がります。すべて介助するのではなく、できる部分は協力してもらい自立に向けた関わりをすることも大切です。

さいごに

さいごに

体位変換は、介護職の仕事内容のなかでも数時間おきにおこなうため頻度の高い介助といえます。介護職員の仕事は、体位変換以外にも腰への負担が大きいため、痛めてしまう方が多いのも事実。少しでも身体への負担を軽減させ、腰を痛めてしまわないためにも最初から負担の少ない介助方法を身につけておくことが大切です。

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