転職活動をしている介護職員の皆さん。内定後の流れはご存知ですか?
初めての転職だと、内定後の流れを知らない人も多いかもしれません。
そんな介護職員さんが、内定後から入職までの流れを把握できるように分かりやすく解説しています。
次の職場で気持ちの良いスタートが切れるように、しっかり流れを掴んでいきましょう!
介護職における内定後の流れ
介護職における内定の流れは上記の図のようになります。
それでは、ステップ1からステップ5の流れに沿って説明していきます。
ステップ1 内定後の返事
内定後の返事をする前に、介護現場の労働条件など伝えられていない条件をしっかり確認しておくことが大切です。例えば「内定の連絡ありがとうございます。条件を見たうえで判断したいので詳細をメールか文章でいただけますか?」
と連絡をした後、しっかりと細かいところまで確認しましょう。また、承諾、保留、辞退の返事は電話で行うことが基本です。電話は誠意が伝わりやすいうえ、確実に担当者に返事の連絡をすることができるからです。この基本を抑えながらケース別に返事を考えてみましょう。 内定を承諾する場合
<電話の例文>
お世話になっております。内定の通知をいただきました〇〇と申します。
この度は内定の通知をいただき、ありがとうございます。
御社からの内定を謹んでお受けしたく、ご連絡差し上げました。
この後の流れとして、入社までの手続きや入社当日のことについて教えていただけますでしょうか?
まず、内定に対する感謝の意を述べます。
その後「内定をお受けいたします」としっかりと意思表示をしましょう。
相手が不在の場合はメールを送ります。
<メールの例文>
お世話になっております。内定の通知をいただきました〇〇と申します。
先ほどお電話いたしましたが、ご多用のようでしたので、メールにて失礼いたします。
この度は内定の通知をいただき、ありがとうございます。
貴社からの内定を謹んでお受けしたく、ご連絡差し上げました。
この後の流れとして、入社までの手続きや入社当日のことについて教えていただけますでしょうか?
また改めて電話でご連絡差し上げます。
上記のように“不在であった為メールを送りました”
という旨を伝えてから、電話の場合と同様に意思表示をします。しかし、メールの場合は既読かどうか分からない為、再度電話で連絡を入れておくと丁寧です。遅くても一週間以内で早めの連絡が望ましいですが、連絡期限については内定先によって異なりますので確認しておきましょう。この際、入職までに必要な手続きや入職日当日のことについても聞いておきましょう。入職時期について、面接で「いつ頃入職できるか?」というやり取りをすることが多いので、内定通知を受けた時点で大体入職時期は決まっています。内定後に多少の調整はできますが、面接時に伝えていた入職可能時期から大幅に変更してしまうと、印象が悪くなってしまいます。面接に臨む前に、退職日までに必要な期間を確認し、あらかじめ入職可能な時期を考えておきましょう。 内定を保留する場合
<電話の例文>
お世話になっております。内定の通知をいただきました〇〇と申します。
この度は内定の通知をいただき、ありがとうございます。
実は、入職のお返事についてしばらく猶予をいただきたいと思いご連絡いたしました。
この度の転職につきまして家族が詳細を知りたいと申しております。
家族と相談したうえで、慎重に判断したいと考えております。
内定をいただいたにもかかわらず、誠に勝手なことで恐縮なのですが、〇月〇日まで返事を待っていただくことは可能でしょうか?
ご多用の中、大変恐縮ですが何卒よろしくお願いいたします。
内定がでたことにお礼を言った後、保留にしたい旨を伝えましょう。
理由を聞かれたときは、他に受けているところがある旨を伝えてしまうと、悪い印象を与えてしまうかもしれません。
それを防ぐためにも、理由は「家族と相談するため」などにしておくと良いでしょう。
返事の保留は、一般的に一週間前後待ってもらえますが、交渉次第では伸ばすことが可能な場合もあります。
しかし、内定保留をすることで入職意思が低いと思われてしまったり、内定を取り消されてしまうリスクもあるので、なるべく早く決断しましょう。
担当者が不在であったときはメールで連絡し再度電話でも連絡をしましょう。
内定を辞退する場合
<電話の例文>
お世話になっております。内定の通知をいただきました〇〇と申します。
この度は内定の通知をいただき、ありがとうございます。
大変申し上げにくいことなのですが、検討の結果、御社よりいただきました内定を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。
本来ならば、直接お詫びに伺うべきですが、取り急ぎお電話でご連絡を差し上げました。 御社にはたいへんご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。何卒よろしくお願い申し上げます。
内定に対する感謝を伝えた後「内定を辞退させていただきたい」と伝えましょう。
辞退理由は、具体的に言わなくても構いません。
ただ、聞かれたら答えなくてはいけないので、あらかじめ回答を用意しておきましょう。
詳しい理由を聞かれた場合は、答える必要がありますが、オブラートに包んで角が立たない言い方を心がける必要があります。
例えば「家族と検討した結果」「自分の適性を考えた結果」「自分がやりたいことと異なっていた」等です。
介護の世界は意外と狭く、どこかで関わる可能性があります。
自分の印象を悪くさせて終わらないように心がけましょう。
最後に、選考や採用で相手に負担をかけてしまったことに対してのお詫びも忘れないようにしましょう。
担当者が不在であったときはメールで連絡をします。<メールの例文>
お世話になっております。内定の通知をいただきました〇〇と申します。
先ほどお電話いたしましたが、ご多用のようでしたので、メールにて失礼いたします。この度は内定の通知をいただき、ありがとうございます。
このようなうれしいお知らせをいただきながら誠に恐縮なのですが、検討の結果、内定を辞退させていただきたくご連絡を差し上げました。
貴重なお時間を割いてくださったにもかかわらず、このようなご連絡になりましたことを大変心苦しく感じております。
本来であれば貴社へお伺いし、直接お詫びをするべきところですが、メールでのご連絡となりましたこと、何卒ご容赦いただきたくお願い申し上げます。
ステップ2 内定報告、退職意思を伝える
内定が決まり、入職を決意したら現在の職場に内定報告と退職の意思を伝えて退職願を出さなければなりません。その際に注意しておく点が3つあります。・退職意思は直属の上司から伝える
退職の意思を上司に話す前に同僚に話すことは避けましょう。なぜなら、あなたから退職の話を聞く前に周囲から話が回ってしまうと上司の気分を害してしまったり、上司の立場を悪くしてしまうことがあるからです。また、あなた自身の印象も悪くなり、退職までの期間働きづらくなってしまいます。・退職希望日は余裕を持って決めておく
引継ぎや、後任の介護職員を確保する期間を考え、退職希望は余裕を持って決めましょう。また、就業規則によって「退職希望日は一ヶ月前までに申し出ること」等と定めている職場も多いので確認してから決めましょう。・現状の不満を理由にしないようにする
職員不足の状態であると引き止められてしまい、退職しにくくなってしまいます。なので、現在の職場では解決できない理由や前向きな理由を考えておきましょう。 ステップ3 退職までの各種手続き
退職が決定したら、退職日までに大事な手続きをしておかなければなりません。・退職届の提出
退職願が受理され、退職交渉が終わったら退職届を出しましょう。退職届の書き方は基本的な書式、もしくは指定のフォーマットに作成し提出します。事前に指定のフォーマットがあるか確認しておきましょう。退職届は一旦提出してしまうと撤回することが難しいので、良く考えてから提出しましょう。・住民税の手続き
退職して一ヶ月以内に転職先に入職する場合は、転職先で給料から天引きしてもらうことが出来ます。一ヶ月以内に入職しない場合は、退職する月によって支払い方法が異なります。なぜなら、住民税は1月~12月の所得にかかる税金を、翌年の6月~翌々年の5月の給料から分割して納める仕組みになっているからです。1月~5月に退職する人
は、5月までに納めなければいけない住民税を、最後の給料から一括で支払わなければなりません。例えば、1月末で退職する場合、2月に支払われる給料から2〜5月の4ヶ月分の住民税が引かれます。人によっては1万円近く引かれてしまう場合もありますので、事前に住民税で引かれる額をチェックしておきましょう。6月~12月に退職する人
は、翌年の5月までの住民税を最後の給料から一括で支払うか、分割して自分で納めるか選ぶことができます。分割で支払いたい場合は、退職前に職場で普通徴収に切り替えてもらう必要があります。 ステップ4 退職までに仕事の引継ぎをしよう
介護の転職では、担当していた利用者一人ひとりの引継ぎをしなければなりません。
身振り手振りで仕事を教えていくのは分かりやすく覚えやすいですが、非常に時間がかかります。
そこで、あらかじめ引き継ぐ内容を文章にしてマニュアル化しておくと、時間も短縮しスムーズに引継ぎが出来ます。
また、手順をマニュアル化しておくことで他の職員との共有ができ、介護方法の統一にも繋がります。
入職までに余裕ができれば、介護の知識を深める時間もとれるので転職先でできる仕事の幅が増えるかもしれません。
なので効率よく引継ぎを行っていきましょう。
ステップ5 借りている物を返却し、必要書類を受け取る
退職後にやりとりが発生することがないように、抜け・漏れがないか注意して確実に返却しましょう。~返却物の例~
・健康保険被保険者証
・身分証明書(職員証、カードキー等)
・文具等
・制服
・鍵類
・通勤定期
その他
必ず退職日までに返却し、判断が出来なければ上司に確認しましょう。~必要書類の例~
・離職票(後日郵送される場合がほとんどで、転職先が決まっていたら不要です。)
・雇用保険被保険者証(施設で保管されている場合、退職時に返却されます。)
・年金手帳(施設で保管されている場合、退職時に返却されます。)
・源泉徴収票(年内に転職する場合、年末調整の関係で転職先に提出する必要があります。後日郵送されますので大事に保管しておきましょう。)
・健康保険被保険者資格喪失証明書
(退職後、国民健康保険に加入する場合に必要です。)
一つでも受け取っていない書類があると転職先に迷惑がかかってしまいますので、確実に受け取り入職に備えていきましょう。
まとめ
いかがでしたか?内定が決まることは非常に喜ばしいことです。それと同時に、退職までにしなければいけないことが沢山あることをご理解いただけたでしょうか?入職日までに行うことをしっかり順序立てて進めていけば、新しい職場で気持ちのいいスタートが切れるでしょう。新しい職場に入職するにあたって職場に上手く馴染めるか不安になる方も多いと思います。そこで、こちらのコラムをおススメ!早く馴染むためのポイントを掴んでおきませんか?【介護職員さんが新しい職場に馴染むためには】 内定・退社・入職に関係するコラム一覧